
中学に入学すると勉強内容が大きく変わり、壁にぶつかると言われています。我が家の息子は、幸いなことに勉強は得意なほうです。英語は英検3級レベル。国語は高校入試の読解問題にも取り組めますし、漢検も5級まで取得しています。社会は得意なので、歴史や地理なら高校入試レベルの問題も解けます。理科もそれなりにできます。
しかし、中学数学だけは一切手をつけていませんでした。
小学校までの算数と中学からの数学は、大きく異なります。小学校の算数までは頭の体操のような要素が強い一方で、中学からは「概念」が出てくる印象があります。他の教科と比べても、ガラッと内容が変わるのが数学ではないかと思っています。
そのため、数学だけは中学に入ってからどうなるのか少し不安でした。
できれば先取りとまではいかなくても、「中学ではこんな数学をやるんだ」と少しかじっておいてほしい。そんな気持ちから「まんが攻略BON! 中1数学」を購入しました。
今回は、この本を実際に息子に読んでもらったところ、どうなったのか。そのエピソードを紹介します。
「漫画なら読むでしょ」と思ったら、最初は興味なし

「まんが攻略BON! 中1数学」を選んだ理由は、漫画なら数学の本も目を通すだろうと思ったからです。
うちの息子は学習漫画が大好き。日本の歴史や世界の歴史、地政学ボーイズ、ドラえもんの学習漫画など、いろいろな学習漫画を暇なときはよく読んでいます。社会系の漫画が好きですが、理科や英語の学習漫画もよく目を通します。
これまで算数の学習漫画は自宅にありましたが、中学生向けの数学の学習漫画はありませんでした。
そこで、「中学数学も漫画なら読んでくれるのでは?」と思い、「まんが攻略BON! 中1数学」を購入しました。そして、いざ購入した本を本人に見せてみると、
「へぇ、結構面白そうだね」
と、なかなか好感触。これはすぐに読み始めるかなと思ったのですが……全然読みませんでした。そのまま大体3か月くらいは興味を持たないまま、本棚の肥やしになっていました。
「このまま、お蔵入りかな」と思っていたところ、あるとき算数の難しい問題を解いたことをきっかけに、中学の数学が気になったようです。
そして、ようやく「まんが攻略BON! 中1数学」を読み始めました。
読み始めて出てきた第一声が「英語より数学の方がむずくない?」

読み始めたら、すごい勢いで読み込みます。あっという間に半分以上読んでいるようでした。そこで「読んでみてどう?中学の数学、分かりそう?」と聞いてみました。
すると、息子からは思いもよらない反応が返ってきます。
「無理。てゆうか英語より数学の方が全然むずくない?できる自信ないんだけど」
とのことです。これまで、彼は学習漫画を読んだら大体は理解でき、「大体覚えた。ここら辺はいけると思う」という発言がほとんどでした。実際に問題を解かせても、英語や社会は中学レベルの問題でもサクッと解いてしまいます。
それに対して今回は、初めて「難しい」という意外な反応。
「えっ、数学が?」
と思いました。旦那は「中1は数学結構簡単だから、英語よりも楽だと思うけど」と発言していました。私も一部同感です。ちなみに旦那は理系派です。息子は文系派ですが、理系も苦手ではありません。むしろ、点数だけを見ると理系のほうがいいかも?というくらい。
ですから、まさか数学の漫画を読んで「英語より数学の方が難しい」と言うとは思っていませんでした。気になったので本人に何が難しいのか聞いてみました。
英語は「文法が分かればできる」。でも数学は「なぜ?」が難しい
「数学は概念が難しい。なぜこうなるの?という意味が分からない。正直言って英語は文法を理解すればできる。所詮文法だし。あとは単語と熟語勝負。でも、数学はどうしてこうなるのかが分からない。だからできない」
このように息子は語っていました。こんなこと言っては何ですが、深いなと思いました。というのも、私も旦那も、ただ公式ややり方だけを覚えて、なぞるだけの勉強をしていました。だから、一見すると簡単に見えていたんですよね。
息子が難しいと言ったのは、下記のような内容です。
・移項って何なんだよ。移項の意味がよく分からない。
・マイナスとマイナスをかけたらプラスになるのは分かる。では、なぜプラスになるのか?それがどういう原理なのかが分からない。
・マイナス-マイナスはプラスになるのは何となく言いたいことは分かる。でも、しっくりは来ない。ややこしい。
・方程式はやり方がなんか難しいと思った。本をチラ見でできる内容ではない。
・ただ、図形など分かるところもある。
なるほどと思う反面、「そこまで深く考えると、そりゃ難しいよな」とも感じました。こちらにとっては、やり方だけ覚えればいい簡単な部分も、突き詰めて考えてみると本当に難しいです。そして、漫画を読めば中学数学を少しかじれるかなと思っていたのですが、どうやら漫画を読むだけでは、この「なぜ?」の部分を解決するのは厳しいようです。
漫画には解き方がある。でも、それだけでは「なぜ?」が解決しない

一応、漫画にも解き方以外に「なぜ?」の理屈は書いてあります。キャラクターがセリフで数学の理屈を語っています。
ただ……非常に分かりにくいです。本書のセリフを一部抜粋してみます。
「数値線でわかるけど-7は-10より大きい。『-7cm低い』は『7cm高い』、『-10cm低い』は『10cm高い』の意味だからナナの方が僕より身長が伸びているよね。」
言いたいことは何となく分かりますけど、なんか頓智みたいですよね。考えれば考えるほど、こんがらがるというか。制限された枠や文字数で解説しなければならないので、しっくりこない解説が多くなります。
正直言って、この文章を読んでしっくり理解できる子どものほうが少ないような……。
まぁ、正負の理論は突き詰めると非常に難しいので、漫画で分かるほうが無理難題なのかもしれません。
ちなみに、図形の解説など、そこまで概念が関係していない解説は意外と分かりやすいです。息子が言いたいことは、こういうことなのかなっと、私も読んでみて思いました。
ただし、どちらにしろ問題の解き方は書いてあります。そこで息子に、
「解き方通りに解くだけじゃダメなの?解き方は書いてあるから、それを見ながら問題を解くとかどう?」と聞いてみました。
「中学数学をやるなら、先生に教えてもらわないと厳しい」

「解けるけど、解けるだけだからなぁ……」
えっ?それじゃあ駄目なの?と思い、もう少し深く聞いてみました。
「解けたところで分かっていないし。だから駄目じゃない?」つまり、応用問題が厳しいのかと聞くと「Yes」とのこと。
つまり、表面上は取り繕うことはできるけど、理解はできていない。しっかりした内容の問題を解くのは厳しいということです。
「では、中学の数学はできない?」と聞いてみたところ、
「難しいけど、そういうことではなくて、この本では無理ということ。これだけじゃあ駄目」
とのこと。
「しっかりした授業で解説してもらわないと分からないよ」
と。つまり、しっかり授業を受けて、解説してもらって、実際に演習問題を解いて……という流れなら理解できるのではないか、ということでした。
……基本的な学習方法ですね(笑)。
漫画を読んだだけで中学数学を先取りできるかも?と思っていたのですが、そう簡単にはいきませんでした。
小学生の中学数学先取りに漫画は「あり」?実際に使ってみて感じたこと
子どもに、小学生の中学数学の先取りとして、この本はありなのか聞いてみました。
「えぇ~どうかなぁ。これだけじゃ無理だしなぁ。どうもなぁ」
とはっきりしない回答。そこで、あり・なしのどちらか、白黒はっきりさせてみることにしました。
すると、「なしかなぁ」とのことでした。つまり、数学は漫画だけでは先取りは難しいということです。息子は「これでは全部は分からないしなぁ」とも言っていたので、一部は分かるといったところでしょうか。親目線としては、一部でも中学数学を少しかじってもらえるだけで御の字なんですけどね。
「中学数学は難しい」と気を引き締める効果は抜群

たしかに本書は、先取り教育という面では成果はいまいちだったと思います。一部は分かって、少し興味を持った程度ですから。
でも、個人的には「中学数学はなめたらあかん」というのを本人が認識できたところがプラスでした。
というのも、息子は他の教科なら漫画でもある程度理解できていたので、少し勉強をなめていた部分もあったんですよね。
「おっ、中学の数学は思ったよりも難しいぞ」と認識して、授業をしっかり聞いて演習しないと厳しいと思ってもらえるだけでも、買った価値は十分ありました。
想定していたのとは、ちょっと違った使い方でしたけどね。
まとめ:漫画だけで中学数学の先取りはできる?
親としては想定外の成果でしたが、漫画だけで中学数学を先取りできるかをまとめると、以下の通りです。
- 他の科目よりも概念が難しい数学は、漫画だけだと理解するのが難しい
- 一部の計算方法や図形など、概念が少ない部分は分かるところもある
- 本書を読んで、実際に実戦問題を解けるようになるかと言われると厳しい
- 「数学とはどんなもの?」と気になっている子どもに読ませるのは結構効果的
実際に息子も、「数学ってどんなもの?」と少し興味を持ったことがきっかけで、数学の漫画本を読み始めました。
息子なら漫画を読めば中学数学もある程度できるようになるかと思いましたが、難しかったですね。
ちなみに、先取りではなく「中学数学をすでに勉強している中学生が暇つぶしに読む本としてはどう?」と息子に聞いたところ、「あり」と答えていました。
本としては悪くないと思います。
子どもが「中学数学ってどんなもの?」と興味を持ったときに、「こんなことをやるんだよ」と説明する本としては、使いやすい一冊でした。
