
40日以上ある夏休み。昔は小学校からたくさんの宿題が出ましたが、最近はほとんど出ない学校もあります。

我が家の子どもたちが通う小学校もそのタイプです。夏休みの宿題は16ページ程度のワークが1冊あるだけで、ほかに必ずやらなければならない課題はありません。
塾や習い事が忙しくなければ、時間を持て余してしまう子も多いでしょう。特に暇すぎると、ゲームや動画漬けになり、何となくボーっと過ごしてしまいがちです。
そこで我が家では、「夏休みは数に制限なく、自分でやりたいことを決めて取り組む」というルールにしました。
夏休みにやることは子ども自身が決めた

夏休みに取り組む課題は、子ども自身に選んでもらいました。もちろん親が決めることもできます。しかし、それでは「自分で考えて決める経験」はなかなかできません。そして、自分で納得して選んだ課題でなければ、どうしても投げやりになりがちです。
ただし、普段の家庭学習は別。毎日の勉強は親がスケジュールを組んでいます。子どもだけに任せると、どうしても甘えが出てしまうからです。
夏休みの自主課題だけは、自分で考え、自分で決めてもらうことにしました。
「小論文を書きたい」と言い出した

小学5年生の息子が選んだのは、小論文でした。小学4年生までは読書感想文や絵画に取り組んでいましたが、今年は自分から「小論文を書きたい」と言い出したのです。
実はこの話は夏休みが始まってからではありません。7月の初め頃にはすでに小論文について考え始めていて、テーマになりそうな内容も少しずつ調べていました。
私は思わず、「小論文なんて難しいこと、よくやるね?」と聞くと、返ってきたのは、「俺はこういう論述を書くの好きだから。」という一言でした。
親としては驚きましたが「確かに、この子なら言いそうだな」とも思いました。息子は昔から『空想科学読本』のような理屈や考察を楽しむ本が好きです。また、小論文ではありませんが、自分で調べたことを漫画にまとめることもあります。
そのため、自分で調べたことや考えたことを、一つの小論文としてまとめてみたいと思ったとしても、不思議ではないと感じました。
難易度が高い自主課題ですが、論文を作り上げたら本人の自信にもつながると思い全く止めませんでした。
コンクールも自分で探した

親としては論文を書くだけで十分だと思っていましたが、本人が「コンクールに応募したい」と言い出しました。親も一緒に探しましたが、コンクールの候補は本人が見つけてきました。
どうやって見つけたのか聞いてみると、
「AIにいろいろ聞いたら、いくつかコンクールを教えてくれたんだよね。最終的に二つまで絞ったんだけど、どっちにするか迷っているんだよね。」とのことです。私たちも子どもと一緒に話し合い、一番しっくりくるコンクールを選びました。
親は「伴走者」に徹した

基本的に親は子供がやることに手を出さないようにしました。小学4年生までは子供の読書感想文の内容や題材について、子どもに提案していました。いくつか提案して選択させる形式でしたが、基本的には親の手のひらの上で課題をこなす形式です。
対して、今回の論文は子供が書きたい題材や見出しなどを子供自身が考え、文章をまとめました。また、論文を書く上で必要な実験内容も子供が決めました。親は写真を一緒に撮って、大きさや明るさなどを加工するのみです。はじめは加工も任せようかと思いましたが、ソフトをダウンロードするのに手間がかかりそうなのでやめました……。
90%以上は子供が書いた論文なので、達成感はひとしおだったと思います。
より良くするための手直しを我慢した理由
子どもが書いた論文ですが、内容を読んだところかなり頑張った内容でした。起承転結もしっかりしていて、熱意を感じる文章です。
子供が主体で書いた文なので文章のあらもありますし、直した方が綺麗にまとまる箇所はいくつもありました。さらに、最後のまとめもはっきりしていない部分もあり「こうやってまとめたら」全体的によくなるんだけどなっと思いました。
しかし、あえて直しませんでした。親がそれを直してしまったり、内容を変更してしまったら彼の論文ではなくなってしまうからです。結構我慢するのは難しかったですけどね…
AIにもルールを作った
今回の小論文を書く上で、AIを使うにあたってルールを設けました。はじめはAIを使うことを制限しようかと思いましたが、使い方次第で子供主体で進めることができると思いました。
また、そもそも「AIに英文法を見てもらったら褒められた」「自分で書いた漫画をAIに見せたら、話が面白いって言っていた」と普段から言っている子供です。
そこで、AIを以下のように使うことにしました。
「こちらの文章の文法としておかしな部分と、誤字脱字のみを指摘してください。小学5年生の子供が書いているので、綺麗な文章にする必要はありません。」
校正ではなく「指摘」というのがポイントです。校正では文章そのものを変えてしまいます。一方、指摘なら何が悪いのかを教えてくれます。
実際に息子も「自分の文章を変えたくないから、指摘がいい」と言っていました。自分が書いた文章を変えてしまうのは、何となく嫌だったそうです。
ちなみに、AIが指摘してくれた内容をすべて受け入れたわけではありません。これは変えたくないと言って、使わなかった指摘もありました。
AIがあるからこそ子どもは挑戦できる

AIを使ったら子供の自主性が失われ、論文や作文はすべてAI頼みになってしまうと言われています。私もAIを使って子供が小論文を仕上げるまで、そう思っていました。
しかし、今回実際に取り組んでみて、自主性がある子供なら、ある程度ルールを設けることでAIを上手に利用することができると感じました。
むしろ、AIがあるからこそ小論文に挑戦する気になったそうです。
AIを使いながら、自分の疑問を壁打ちのように聞いて確認しながら、自分の説を確立していきました。説が出来上がったからこそ、論文を書きたいと思ったようです。
そして、仕上げるために壁打ちのごとく内容を見せては指摘を受け、AI相手に会話を繰り返しながら論文を書き上げました。
では、親相手に壁打ちすればいいのでは?と思うかもしれません。
息子に話を聞いたところ「なんか悪いし、迷惑かけたくない」「あまり親から指摘されるとプライドが傷つく」と言っていました。
また、こちらも子供相手だと感情的になってしまいがちです。
だからこそ、AIを敵視せず、子供の協力者として利用していくのは、成長の糧になるのではないかと今回の経験から感じました。
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