
近年、英検の受験方式として「英検S-CBT」の利用が広がっています。朝日新聞の記事によると英検S-CBTは、2020年に「英検2020 1day S-CBT」として実施された、コンピューターを利用する受験方式です。2021年に英検S-CBTと名称が統一されました。リセマムの記事では2024年度には英検準1級の志願者の47%、2級では30%がS-CBTを利用していたそうです。特に準1級では、従来型に迫る割合にまで増えています。
S-CBTは、原則1日で4技能の試験が完結するうえ、受験日を選びやすいなどのメリットがあります。そんな英検S-CBTですが、我が家ではあえて従来型を選んでいます。
今回は、英検S-CBTと従来型の違いを紹介するとともに、我が家が従来型を選んでいる理由について解説します。
英検S-CBTのメリットは?従来型より受験しやすい面も
まずは会場によって受験できる英検の級をまとめました。
| 級 | 従来型 | S-CBT テストセンター | |
|---|---|---|---|
| 本会場 | 準会場 | ||
| 1級 | ○ | ― | ― |
| 準1級 | ○ | ― | ○ |
| 2級 | ○ | ○ | ○ |
| 準2級プラス | ○ | ○ | ○ |
| 準2級 | ○ | ○ | ○ |
| 3級 | ○ | ○ | ○ |
| 4級 | ○ | ○ | ― |
| 5級 | ○ | ○ | ― |
○:受験可能 ―:実施対象外
※準会場での実施級は、各学校・塾などの実施状況によって異なります。S-CBTも、級や地域、試験日によって実施状況が異なるため、申込前に公式サイトでご確認ください。
| 比較項目 | 英検S-CBT | 従来型(本会場) | 従来型(準会場) |
|---|---|---|---|
| 主なメリット | ・1日で4技能の試験が完結 ・受験日を選びやすい ・同一検定期間に同じ級を最大3回受験できる ・スピーキングは録音方式で、面接官と直接対面しない | ・紙の問題冊子とマークシートで受験できる ・1級から5級まで対応 ・慣れた筆記形式で解答できる | ・学校や塾などで受験できる ・会場が近ければ移動の負担を減らせる ・本会場より検定料が安い級がある |
| 受験できる級 | 準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級 | 1級・準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級・4級・5級 | 2級・準2級プラス・準2級・3級・4級・5級 ※1級・準1級は対象外 |
| 受験方法 | コンピューター、ヘッドセットを使用 | 紙の問題冊子とマークシートを使用 | 紙の問題冊子とマークシートを使用 |
| 試験日数 | 原則1日で4技能すべてを受験 | 3級以上は一次試験と二次試験が別日 | 3級以上は一次試験と二次試験が別日 |
| 試験の順番 | スピーキング → リスニング → リーディング → ライティング | リーディング → ライティング → リスニング。3級以上は後日スピーキング | リーディング → ライティング → リスニング。3級以上は後日スピーキング |
| スピーキング | パソコン画面を見ながら話し、音声を録音 | 面接官との対面式面接 | 面接官との対面式面接 |
| リスニング | ヘッドセットで音声を聞く | 会場で放送される音声を聞く | 会場で放送される音声を聞く |
| ライティング | 手書きまたはキーボード入力を選択 | 手書き | 手書き |
| 受験機会 | 1つの検定期間に同じ級を最大3回まで受験可能 | 検定回ごとの実施日程に合わせて受験 | 団体が実施する日程・申込条件に合わせて受験 |
| 2026年度の検定料(税込) | |||
| 1級 | ― | 12,400円 | ― |
| 準1級 | 10,500円 | 10,400円 | ― |
| 2級 | 9,600円 | 9,000円 | 6,800円 |
| 準2級プラス | 9,200円 | 8,600円 | 6,300円 |
| 準2級 | 9,000円 | 8,400円 | 6,000円 |
| 3級 | 7,700円 | 6,800円 | 4,900円 |
| 4級 | ― | 4,600円 | 2,800円 |
| 5級 | ― | 4,000円 | 2,400円 |
※検定料は2026年度の英検協会公式料金表に基づいています。
※準会場の検定料は団体申込の料金です。受験できる級や実施日程は、所属団体・受け入れ団体によって異なります。
※S-CBTの検定料は一次試験免除者も同額です。
※従来型の4級・5級には二次試験がありません。別途スピーキングテストを受験できる場合があります。
※受験回数・日程・試験方式の詳細は、申込前に英検協会の公式情報をご確認ください。
参照サイト:検定料 英検S-CBT検定料
1日で4技能の試験を受けられる
表にもまとめていますが、英検S-CBTはスピーキングも同じ日に受験できるため、1日ですべての試験を終えることができます。スピーキングは、パソコン画面に表示される指示に従い、ヘッドセットを使って回答を録音するスタイルです。
つまり、面接官の前で話すのが苦手な人には、こちらの方式が合っている可能性があります。一方で、対面式の面接なら、相手の反応を見ながら話せたり、聞き取れなかったときに聞き返したりできる場面もあります。そのため、人によっては従来型のほうが話しやすいと感じるかもしれません。
ちなみに、私は対面で話すほうが苦手なので、個人的にはS-CBTのスタイルのほうが好きです。一方、旦那は英検の面接で「Pardon?」と聞き返しながら受け答えをしたそうです。そう考えると、旦那のようなタイプには、面接官と直接やり取りする従来型のほうが合っているのかもしれません。
また、対面式の面接には、相手の表情を見ながら話せるという特徴もあります。特に小学生の場合、まだ説明が上手でなかったり、話の組み立てが少しぎこちなかったりすることもあると思います。それでも、表情や話し方、一生懸命伝えようとする様子から、言いたいことが伝わる場面もあるでしょう。
もちろん、英検の面接は採点基準に沿って評価されるため、子どもだからといって特別に甘く採点されるわけではありません。それでも、対面であれば、録音された音声だけでは伝わらない表情や雰囲気も相手に伝わります。人と話すことが好きな子や、相手の反応を見ながら話すほうが得意な子なら、従来型の面接のほうが自分らしく受け答えできる可能性もあると思います。
このように、どちらの受験方式が向いているかは、人それぞれ。日程や費用だけでなく、自分が話しやすいと感じるスタイルかどうかも、受験方式を選ぶ際のポイントになりそうです。
受験機会が多く、日程を調整しやすい
従来型とは別に、S-CBTでは多くの受験日が設定されています。従来型は年3回の実施ですが、S-CBTは原則として毎週土日に受験できます。(級や地域によって異なる場合があります)
従来型とS-CBTを併用すれば、受験機会を増やすこともできます。2025年度からは、S-CBTで同じ検定回に同じ級を最大3回まで受験できるようになりました。さらに、従来型との併願も可能なため、受験機会を増やしたい人にとって便利な仕組みです。
そのため、受験シーズンまでに英検のスコアを取得したい人や、一度で合格できなかった場合に早めに再挑戦したい人にとっては、大きなメリットといえるでしょう。また、試験日を選びやすいのも魅力です。部活動や学校行事などの予定に合わせて受験日を調整しやすく、従来型の日程が合わない場合にも選択肢が広がります。
さらに、S-CBTは4技能を1日で受験できるため、スピーキングを含めた試験を一度に終えられます。結果の公開日も試験日ごとに設定されているので、受験を考えている人は、公式サイトで最新の日程を確認しておくとよいでしょう。
さらに、合否結果が分かるまでの期間が短いのもS-CBTの魅力です。
例えば、2026年9月26日に受験した場合、従来型では本会場Bの日程だと、一次試験のWeb合否が10月26日、二次試験のWeb合否が11月24日です。一方、S-CBTで同じ2026年9月26日に受験した場合は、10月23日には合否を確認できます。
このように、従来型では二次試験の結果が出るまで約2か月かかるのに対し、S-CBTなら約1か月で結果が分かります。受験する級や日程によって違いはありますが、この差は大きいですよね。
団体受験が難しい場合にも選択肢になる
学校や塾などで団体受験を利用できない場合、個人で受験会場や日程を選べるS-CBTは選択肢のひとつです。受験日程が多く、結果も比較的早く分かり、4技能の試験を1日で終えられるため、メリットは大きいといえます。
もちろん、学校や塾で団体受験ができる人なら、受験料の安さなどから従来型の団体受験を選ぶこともあるでしょう。
とはいえ、最近は団体受験を実施している塾でも、S-CBTを利用する人が増えているようです。
実際、息子が英検3級を塾で外部受験した際、受験者は息子を含めてわずか2人でした。塾生がほとんどいないことに驚いて理由を聞いてみると、先生から「S-CBTを利用して受験している子が多いので。英検の準会場も今回でうちは終わりになるんですよ」と教えてもらいました。
団体受験ができる塾でも、S-CBTを選ぶ人が増えているというのは意外でした。
もちろん、これは息子が受験した塾での話なので、全国的に同じ傾向とは限りません。それでも、身近なところでも受験方式の変化が起きているのだと感じました。
こうした状況を考えると、学校や塾で団体受験ができない人にとって、S-CBTはますます有力な選択肢になっていくのかもしれません。
それでも我が家は従来型の英検を選んでいる

S-CBTには便利な面が多くて、個人受験で英検3級以上を取得を目指しているとしたら是非利用したいです。しかし、我が家は今のところ利用する予定はありません。
理由1:急いで合格する必要がない
我が家の子どもたちは小学5年生と小学3年生です。小学5年生の息子は英検取得を目指していますが、中学3年生まではまだ時間があります。一方、小学3年生の娘は、そもそも英検を受けるかどうかも分かりません。本人は英検の取得をあまり目指していないため、無理に受験させる必要はないと考えています。
S-CBTは受験機会が多いのがメリットですが、考え方によっては、次の受験までの期間が短くなるともいえます。
我が家の場合、現時点では英検の資格やスコアを早く取得することよりも、英検に合格できるレベルの英語力を身につけることを重視しています。そのため、従来型の試験日程をひとつの目標にして、そこまでじっくり勉強し、英語力を伸ばしていきたいと考えています。そうした理由から、今のところはS-CBTを積極的に活用する段階には至っていません。
理由2:団体受験のほうが費用面や会場の都合がよい
まず、上の表を見てもらうと分かりますが、団体受験のほうが受験料は3,000円近く安くなります。
ただし、準会場で外部受験する場合、会場によっては受験料とは別に手数料がかかります。ちなみに、我が家が現在利用している準会場では手数料はかかりませんが、次回以降に利用を考えている準会場では1,100円かかります。そのため、実際の費用差はそれほど大きくなくなります。
また、我が家の場合は、準会場のほうが自宅から近いこともメリットです。移動の負担が少なく、気軽に受験会場へ行けるのも、従来型を選んでいる理由のひとつです。
理由3:息子はパソコン画面より紙のほうが頭に入りやすい
これが、我が家にとって最も大きな理由です。息子は普段、紙の問題集や過去問を使って勉強しています。タッチパネルなどのデジタル画面を使って勉強することは、ほとんどありません。マークシートも紙のものしか使ったことがありません。とはいえ、「実際の試験に向けて練習すればいいのでは?」と思う人もいるでしょう。確かに、S-CBTの形式に慣れるために練習すれば、対応できるとは思います。
ただ、少し気になったことがありました。デジタル画面で選択問題を解いたときのほうが、正答率があまりよくなかったのです。そこで、本人にS-CBTについて聞いてみました。すると、最初は「どっちでもいい」とのこと。ただ、もう少し詳しく聞いてみると、「パソコンだと集中できない」「頭に入ってこない」と話していました。
つまり、本人としてはどちらの方式でも受験できそうだけれど、パソコン画面では集中しにくく、問題が頭に入りにくいと感じているようです。
普段の勉強方法や本人の感覚も含めて考えると、今の息子には、紙の問題冊子を使う従来型のほうが合っていると考えています。


スピーキングは対面とパソコンのどちらがいい?
英検3級以上ではスピーキングも必要になるため、対面式の面接とパソコンに向かって回答を録音する方式のどちらがいいか、息子に聞いてみました。
しかし、返ってきた答えは「わかんない。両方ともやったことないから」。
それはそうですよね。実際に経験したことがないのに、どちらがいいか、どちらが自分に合っているかなんて分からないですよね。スピーキングについては、まず従来型の対面式面接を経験してから、改めて聞いてみようと思います。実際に受けてみると、今とは違う答えが返ってくるかもしれません。

まとめ:英検は便利さだけでなく、自分に合った受験方式を選びたい
英検S-CBTには、1日で4技能を受験できることや、受験日を調整しやすく、結果も早く分かるといったメリットがあります。一方で、我が家のように急いで合格する必要がなく、紙の問題冊子のほうが集中しやすい場合は、従来型を選ぶのもひとつの方法です。
以前は従来型が基本でしたが、今ではS-CBTという選択肢もあります。受験者の都合や得意不得意に合わせて受験方式を選べるようになったのは、とてもありがたいことですね。試験の便利さだけでなく、費用や日程、本人に合った受験スタイルなども考慮しながら、自分に合った方式を選んでみてはいかがでしょうか。
関連記事





